日暮ひぐらし)” の例文
清「谷中やなか日暮ひぐらし瑞応山ずいおうざん南泉寺なんせんじと云う寺が有ります、夫に宮内健次郎みやのうちけんじろうと云う者が居ますが、夫へは多分参りますまい」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
身を起して、坂また少しく攀じ、石段三十五階にして、かの峰の松のある処、日暮ひぐらしの丘の上にぞ到れる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
引連ひきつれいではしたれどさわがしき所は素より好まねば王子わうじあたりへ立越てかへで若葉わかば若緑わかみどりながめんにも又上野より日暮ひぐらし里などへ掛る時はかれ醉人の多くして風雅ふうがを妨げ面白おもしろからねば音羽通を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
漱石氏らにもまたあきたらぬ思いをさせるような態度で、その日暮ひぐらしに雑誌を出していた。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
欄にりて伸上れば半腹なる尼のいおりも見ゆ。卯辰山うたつやま、霞が峰、日暮ひぐらしの丘、一帯波のごとく連りたり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)