敷設ふせつ)” の例文
小田原熱海あたみ間に、軽便鉄道敷設ふせつの工事が始まったのは、良平りょうへいの八つの年だった。良平は毎日村はずれへ、その工事を見物に行った。
トロッコ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「国内にたくさんの鉄道をしくのは人民の便利だけでなくそれ自体が軍備でもある。多く人を徴兵する代りに、鉄道敷設ふせつに費用をかけなさい」
安吾史譚:05 勝夢酔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
この鉄道は誰が敷設ふせつしたという事は素人にはあまり参考になりません。この講堂は誰が作ったって問題にならない。
おはなし (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて彼等は、大鳴門おおなると司令長官の前に立って、米国艦隊の退路を絶つ機雷の敷設ふせつ状況と、なお布哇ハワイ攻略の機が如何に熟しているかを、つぶさに報告することであろう。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
アッチソンやトペカやサンタ・フェ方面に敷設ふせつされた鉄道が、その未開の地方を開拓して州の勢力を延長したばかりでなく、また、その工事を会社に引き渡す以前から
關東大地震後かんとうだいぢしんご、この方面ほうめんける研究けんきゆうおほいにすゝみ、あるひ鐵管てつかん繼手つぎて改良かいりようあるひ地盤不良ぢばんふりよう場所ばしよけて敷設ふせつすること、むをなければ豫備よび複線ふくせんまうけることなど
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あたかも鉄道の敷設ふせつに、高き所はこれを削り、低き所はこれをうずめ、なるべく地平を保たんとすることに似ております。ゆえに余は、天道はなお鉄道のごときかと申しています。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
この鉄道は誰が敷設ふせつしたという事は素人にはあまり参考になりません。この講堂は誰が作ったって問題にならない。
無題 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)