放蕩息子ほうとうむすこ)” の例文
それらの善良なる男女はわれわれを放蕩息子ほうとうむすこと呼び、われわれの帰国をねがい、われわれのためにこうしを殺してごちそうをしようと言っている。
神尾の邸の中では、旗本の放蕩息子ほうとうむすこらが日夜りびたりで賭博とばくふけると言い、十人も綺麗きれいな女中がいて、それやこれやの聞きにくいうわさがあります。
まるで聖書の中の放蕩息子ほうとうむすこのように売り物の豚に与えるえさでもいいから、何か食べたくてたまらなく思ったが、それさえ食べさせてもらえなかった。
一、幼少のときにある放蕩息子ほうとうむすこが身をあやまって、自分のみならず大勢の人に迷惑めいわくやら心配をかけたのをみて、婦人関係は深くつつしむべしと決心した。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
病人にたいして、悔悟してもどって来た放蕩息子ほうとうむすこにたいして、小言をいうのは親切な処置とは言えないのだったから。そしてエルンストは、艱難かんなんのために人が変ったかと思われた。
ちょうど放蕩息子ほうとうむすこに金儲をさせたようなものだ。ソレ金が儲かった、ドシドシ遊べと図に乗って儲けた金の二倍も三倍もつかってしまう。随分実業家の息子にはそういう人もあるよ。畢竟ひっきょう親が悪いのだ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
金蔵はえ抜きの悪党ではなく、親に甘やかされた放蕩息子ほうとうむすこの上りですから、本気になって物を言う時には、お坊ちゃんらしいところがないではない。
放蕩息子ほうとうむすこをとがめ立てる父親がこのとおりの人間なんです! 皆さん、どうか僕の癇癪を許してください。