)” の例文
と。これ彼が満腔まんこうの不平をべたるなり。しかれども吾人ごじんを以てこれを見れば、一老生の言、実に彼が急所を刺すものあるを覚う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
北固山はそう韓世忠かんせいちゅう兵を伏せて、おおいきん兀朮ごつじゅつを破るのところたり。其詩またおもう可きなり劉文りゅうぶん貞公ていこうの墓を詠ずるの詩は、ただちに自己の胸臆きょうおくぶ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
満腔まんこう慷慨こうがい黙々に付するに忍びず、ただちにその血性をべ発して一篇の著書とはなりしなり。しかしてこの書初めて世に公布する客年十一月にあり。
将来の日本:01 三版序 (新字新仮名) / 新島襄(著)
臣、さきに隴西ろうせいに派せられ、祁山きざんにおいて孔明と対陣し、功すくなく、罪は大でした。ひそかに慙愧ざんきして、いまだ忠をぶることができないのをはずかしく思っております。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊沢分家の口碑は蘭軒歿時の話柄わへい二三を伝へてゐる。蘭軒の姉正宗院しやうそうゐんは溜池より来て、弟の病牀に侍してゐた。ついで弟の絶息した後、来弔の客を引見した。蘭軒の門人某の父が来て痛惜の情をべた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
知るべし、彼が教育の道多子たしなし、ただ己が其骨頭、大本領をべて、以てこれを他に及ぼすのみなるを。彼れ「松下村塾の記」を作りて曰く
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ゆえに今日において吾人が論弁しうべきだけのことについては、あえて遅疑せず。ただちに胸臆をべて、もって直言直論せんと欲するものなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
満腔まんこう慷慨こうがい黙々に付するに忍びず、ただちにその血性をべ発して一篇の著書とはなりしなり。しかしてこの書初めて世に公布する客年十一月にあり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)