拔刀ばつたう)” の例文
新字:抜刀
「そして、足場の下へ——丁度隙間を覗いて居る清五郎が踏板を滑つて落ちた時、その身體へ眞つ直ぐに突き立つやうに、下の横木に拔刀ばつたうの長脇差を切尖を上へ向けて縛つて置いたのだ」
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
天滿與力てんまよりき何某なにがしが、門前もんぜん旅籠屋はたごやとまり、大醉たいすゐして亂暴らんばうし、拔刀ばつたう戸障子としやうじやぶつたが、多田院ただのゐん寺武士てらざむらひ劍術けんじゆつらないので、おさへにくことも出來できなかつたといふはなし
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)