トップ
>
手遊
>
おもちゃ
ふりがな文庫
“
手遊
(
おもちゃ
)” の例文
日あたりの納戸に据えた
枕蚊帳
(
まくらがや
)
の
蒼
(
あお
)
き中に、昼の蛍の光なく、すやすやと
寐入
(
ねい
)
っているが、可愛らしさは
四辺
(
あたり
)
にこぼれた、畳も、縁も、
手遊
(
おもちゃ
)
、
玩弄物
(
おもちゃ
)
。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「オイなぜ消すんだ灯を。提灯は
住吉踊
(
やあとこせ
)
の
手遊
(
おもちゃ
)
じゃねえ、揺って面白えって代物じゃねえんだ」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
僕の
魂
(
たましい
)
の生み出した真珠のような未成品の感情を君は
取
(
とっ
)
て
手遊
(
おもちゃ
)
にして空中に
擲
(
なげう
)
ったのだ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
愛する形式と、感情の変った
手遊
(
おもちゃ
)
が、妾には、一つ増えたわけね。——そういえば——どういったらいいんでしょう。確かに、可愛いいわ。妾の意思がそのままに通じるでしょう。
ロボットとベッドの重量
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
もしそう云う考えの加わった施行なら人間の真情がみだされた施行で、施す人も施される人も共に
穢
(
けが
)
すというものです。真率であるべき人生の行為を、
戯論
(
けろん
)
で
手遊
(
おもちゃ
)
にするというものです。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
金目
(
かねめ
)
のものではあるまいけれども、
紅糸
(
べにいと
)
で底を
結
(
ゆわ
)
えた
手遊
(
おもちゃ
)
の
猪口
(
ちょく
)
や、
金米糖
(
こんぺいとう
)
の
壷
(
つぼ
)
一つも、馬で
抱
(
だ
)
き、
駕籠
(
かご
)
で
抱
(
かか
)
えて、長い旅路を江戸から持って行ったと思えば、
千代紙
(
ちよがみ
)
の小箱に入った
南京砂
(
なんきんずな
)
も
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
海松
(
みる
)
ばかり打上げられる、寂しい秋の晩方なんざ、誰の発議だったか、小児が、あの
手遊
(
おもちゃ
)
のバケツを
振提
(
ぶらさ
)
げると、近所の八百屋へ交渉して、
豌豆豆
(
えんどうまめ
)
を二三合……お三どんが風呂敷で提げたもんです。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
遊
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
“手遊”で始まる語句
手遊品
手遊屋
手遊物
手遊絵