我折がお)” の例文
「おゝ御館おやかたでは、藤のつぼねが、我折がおれ、かよわい、女性にょしょう御身おんみあまつさただ一人にて、すつきりとしたすゞしき取計とりはからひを遊ばしたな。」
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(濁れるわらい)いや、さすがは姫路お天守の、富姫御前の禿かむろたち、変化心へんげごころ備わって、奥州第一の赭面あかつらに、びくともせぬは我折がおれ申す。——さて、あらためて内方うちかたへ、ものも、案内を頼みましょう。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人目をはばかるのだから、忍びに忍んで潜入するのだが、いや、どうも、我折がおれた根気のいい事は、朝早くでも、晩方でも、日が暮れたりといえどもで、夏の末のあるなどは、ままよ宿鳥ねどりなりと
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巫女 我折がおれ、お早い事でござりましたの。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)