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憫
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あは
ふりがな文庫
“
憫
(
あは
)” の例文
手柄を友次郎に奪はれて、さすがの平次も少し何うかしたのかとでも思ふ樣子で、凝と見詰める眼には、何となく
憫
(
あは
)
れむやうな色があります。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
由来我国人の悟性は遅鈍なり。吾人は只この遅鈍の犠牲たる
憫
(
あは
)
れむべき女子の既に病院に送られたる事を報道し得るのみ。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
而して蜩の小を以て自らその小を知らず、鵬の大を以て自ら其の大を知らず、同じく限に縛せらるゝを知らず欣然として自足するは、
憫
(
あは
)
れむべき自足なり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
責めるといふよりも、寧ろそれは
憫
(
あは
)
れむに近く、静かに、彼女のからだを起して、
傍
(
かたは
)
らを頤で指しました。
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
さう
憫
(
あは
)
れむやうな調子で云って渡して呉れたのだった。妹が生きて居たとしても行きにくい家だった。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
ちやんは
深
(
ふか
)
くそれを
憫
(
あは
)
れに
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
天下に極めて無言なる者あり、山岳之なり、然れども彼は絶大の雄弁家なり、
若
(
も
)
し言の有無を以て弁の有無を争はゞ、
凡
(
すべ
)
ての自然は極めて
憫
(
あは
)
れむべき
唖児
(
あじ
)
なるべし。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
其線を越ゆること
叶
(
かな
)
はず、何事にも遮断せらるゝ武権の
塀墻
(
へいしやう
)
ありて、彼等は声こそは挙げたれ、
憫
(
あは
)
れむべき卑調の趣味に甘んぜざるを得ざりしは、亦た是非もなき事共なり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
富めるもの
驕
(
おご
)
る可からず、貧しきもの何ぞ自ら
愧
(
は
)
づるを
須
(
もち
)
ひん。額上の汗は天与の黄金、一粒の米は之れ一粒の玉、何ぞ金殿玉楼の人を羨まむ。唯だ
憫
(
あは
)
れむべきは食を乞ふの人。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
夕に笑ひしに因て朝に泣くの果を見つ、朝に泣きしに因つて更に又た夕に笑はんとす、斯の如きは
憫
(
あは
)
れむべし、斯の如きは悲しむべし、斯の如きは
厭
(
いと
)
ふべし、我れつら/\世相を観ずるに
哀詞序
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
之を以てわれは情死を
憫
(
あは
)
れむ事切なり。
「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
憫
漢検1級
部首:⼼
15画
“憫”を含む語句
憫然
憐憫
可憫
不憫
御憐憫
御不憫
憫殺
憫笑
燐憫
憫察
恭憫恵
相憫
憫憐
御憫笑可被下度候
御憫笑
御憫察
御憫
不憫千万