愁傷しゅうしょう)” の例文
平生へいぜいの学問浅薄せんぱくにして、至誠天地を感格する事出来申さず、非常のここに立至り申し候。嘸々さぞさぞ愁傷しゅうしょうも遊ばさるべく拝察つかまつり候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「ホウ、それは愁傷しゅうしょうであったな。——が、此店ここへ入ったとき、綺麗な娘が居たように思うが——あれは誰だ」
また泣入なきいって倒れてしまう様に愁傷しゅうしょう致すのも養生に害があると申しますが、入湯にゅうとう致しましても鳩尾みぞおちまで這入って肩はぬらしてならぬ、物を喰ってから入湯してはならぬ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さぞ愁傷しゅうしょう、お馴染なじみだけに猶更なおさらお察し申します、あの方は誠に御貞節ないゝお方であったが、これが仏家ぶっかでいう因縁とでも申しますのか、嘸まア残念な事でありましたろう
此者これ愁傷しゅうしょういたしまして、昼は流石さすがに人もまいりますが、夜分はう者もござりませんから、位牌に向って泣いてばかり居りますと、同月どうげつ二十五日の日に、お上屋敷からお呼出しでありますから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)