想見おもいみ)” の例文
金殿玉楼きんでんぎょくろうその影を緑波りょくはに流す処春風しゅんぷう柳絮りゅうじょは雪と飛び黄葉こうよう秋風しゅうふう菲々ひひとして舞うさまを想見おもいみればさながら青貝の屏風びょうぶ七宝しっぽうの古陶器を見る如き色彩の眩惑を覚ゆる。
神田氏の雀躍想見おもいみし。ただちに事の次第を学友同志輩に語り、いずれも皆先を争ふて写取り、にわかに数本の蘭学事始を得たるその趣は、既に世に亡き人と思ひし朋友の再生にふたるが如し。
蘭学事始再版序 (新字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
ほぼ諸子の風概を想見おもいみることができる。文郁は毅堂の字で、二十二歳である。毅堂の名が江戸の詩人枕山湖山ら先輩の作中に見えたのはこの時を以て始とする。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
神田氏の雀躍じゃくやく想見おもいみるべし。直に事の次第を学友同志輩に語り、いずれも皆先を争うて写取うつしとり、にわかに数本の蘭学事始を得たるそのおもむきは、すでに世に亡き人と思いし朋友の再生にうたるがごとし。
蘭学事始再版之序 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)