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悧発
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りはつ
ふりがな文庫
“
悧発
(
りはつ
)” の例文
旧字:
悧發
「お父さま、」と
悧発
(
りはつ
)
そうな八つの娘が、眼をぱちくりさせて尋ねた。「落したお金が十一文だという事がどうしてわかりました。」
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
私はかつて夢の中で、数人の友だちと一緒に、町の或る
小綺麗
(
こぎれい
)
な喫茶店に入つた。そこの給仕女に一人の
悧発
(
りはつ
)
さうな顔をした、たいそう愛くるしい少女が居た。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
多くの記念塔の
頸輪
(
くびわ
)
をつけ、
悧発
(
りはつ
)
げな
無頓着
(
むとんじゃく
)
さで伸びをして、またそぞろ歩きの美人のように、自分の美しさに
微笑
(
ほほえ
)
んでいる、身こなし
嫋
(
たおや
)
かな優美な河であった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
楽和はもと
茅州
(
ぼうしゅう
)
の生れで、生れつき
悧発
(
りはつ
)
で器用なたち、わけて耳の官能がすぐれていた。ひとたび聞いた唄はすぐ覚え、しかも節まわしが巧みで、すこぶる美音だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内儀さんは、家にいても夫婦一つの部屋で
細々
(
こまごま
)
話をするようなことは、めったになかった。
悧発
(
りはつ
)
そうなその優しい目には、始終涙がにじんでいるようで、狭い
額際
(
ひたいぎわ
)
も曇っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
十八というにしては、ませた娘で、可愛らしくも
悧発
(
りはつ
)
でもありますが、持っていた紅皿は、指の跡がたくさんあるだけ、紅筆を使った様子も、紅筆などを持っている様子もありません。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それだけではない、その中の
悧発
(
りはつ
)
なる子供を選抜し官費生にして充分教育する。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
女の語る一言一句が、遠い国の歌のしらべのように、
哀韻
(
あいいん
)
を含んで私の胸に響いた。昨夜のような派手な勝ち気な
悧発
(
りはつ
)
な女が、どうしてこう云う
憂鬱
(
ゆううつ
)
な、殊勝な姿を見せることが出来るのであろう。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かつは一を知って十を知る
悧発
(
りはつ
)
であるばかりでなく、
四川弓
(
しせんきゅう
)
と呼ぶ
短弓
(
たんきゅう
)
を
手挟
(
たばさ
)
み、わずか三本の矢を帯びて郊外に出れば、必ず百
禽
(
きん
)
の獲物を夕景にはさげて帰るというのでも
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
アンドレは
悧発
(
りはつ
)
であって、科学に——または文学に——同じくらいかなりの天分をもっていた。芸術家たるには十分の自信がなかったけれど、中流者たるにはあまりに多くの自信があった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
俺の手柄と言いたいが、それは神津右京様の御総領吉弥様の働きと言ってもいい。——吉弥様は十四という御幼少だが、根が
悧発
(
りはつ
)
の方で、一と目泥棒を見てよくその癖を覚えていて下すった。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの
悧発
(
りはつ
)
な子のことですから、お
局方
(
つぼねがた
)
にも愛され、信長公からも、またなく可愛がられていたそうですが、天正十年、信長公も本能寺で御最期となり、安土もあんなことになって
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時は
本所
(
ほんじょ
)
で鳴らした御用聞——石原の利助の一人娘で、美しさも、
悧発
(
りはつ
)
さも申分のない女ですが、父親の利助が軽い中風で倒れてからは、多勢の子分を操縦して、見事十手捕縄を守りつづけ
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
殺されたのは、町内の物持で荒物屋に質屋を兼ねている、
近江屋
(
おうみや
)
の一人娘お新、美しいのと
悧発
(
りはつ
)
なのと、婿選びがむつかしいのとで、神田、番町あたりへまでも噂に上っている娘だったのです。
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
五十幾人のこどもは、将軍家斉の濫倫の産物で、中には碌でもないものもありましたが、末の娘の京姫は美しくもあり
悧発
(
りはつ
)
でもあり、その上少しお
侠
(
きゃん
)
で勝気で、冒険的な気質さえ持って居りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
悧
漢検1級
部首:⼼
10画
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
“悧”で始まる語句
悧巧
悧口
悧好
悧溌
悧巧者
悧
悧發
悧怜
悧恰