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悍気
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かんき
ふりがな文庫
“
悍気
(
かんき
)” の例文
高氏の駒、直義の駒、上杉の駒、師直の駒、どれも
悍気
(
かんき
)
りんりんな毛づやの映えを見せ、それぞれのタテ髪を鎌倉のさくら若葉が吹きなでていた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(この頃、お手に入れた黒鹿毛は、
悍気
(
かんき
)
がつよいと仰っしゃって、お乗りにもならずに厩に
繋
(
つな
)
いであるようですから、あれを差上げてはどうでしょう)
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戛然
(
かつぜん
)
——。関羽の
偃月
(
えんげつ
)
の柄と交叉して、いずれかが折れたかと思われた。逸駿赤兎馬は、主人とともに戦うように、わっと、口をあいて
悍気
(
かんき
)
をふるい立てる。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
血を見たせいか、馬もにわかに
悍気
(
かんき
)
を
震
(
ふる
)
い立って、まるで雪神でも
翔
(
か
)
けるように、雪風を裂いて走った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悍気
(
かんき
)
の立った
生唼
(
いけずき
)
も
磨墨
(
するすみ
)
も、
水面
(
みのも
)
から立つ狂風に吹かれると、たてがみを強く振って、いななきぬいた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
馬の口輪でも
外
(
はず
)
したか、
悍気
(
かんき
)
を立てた一頭が、耳、
鬣
(
たてがみ
)
を打振って、高く
嘶
(
な
)
いた。あわててそれを叱りながら、組の部将は飛びついて、馬の首をふところへ
抱
(
だ
)
きしめた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きっと、馬の
珠目
(
じゅもく
)
(
眉間
(
みけん
)
)に向かい合って
佇立
(
ちょりつ
)
し、両手で、口輪をおさえたまま、
悍気
(
かんき
)
のつよい秋の若駒をも、大地にすえて、びくとも、
暴
(
あ
)
れるのは、ゆるさなかった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軽い速度になって、しきりと
鬣
(
たてがみ
)
を振りながら、白い泡を口輪に吹いているのは、なお馬が
悍気
(
かんき
)
をしずめていない表情である。光春の手綱は、努めてそれを
宥
(
なだ
)
めながら歩ませていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老臣の
比田帯刀
(
ひだたてわき
)
なのである。帯刀の手はすぐ主人の馬の口輪をつかんでいた。ひとたび、
悍気
(
かんき
)
にまかせた馬は容易にその本能を制しきれないもののように、頻りに土を蹴って
足掻
(
あが
)
いた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五、六人の悪党が忍びこんで、
厩
(
うまや
)
の赤兎馬を盗みだそうとしたところ、
悍気
(
かんき
)
のつよい馬なので、なかの一人が跳ねとばされたらしく、その物音に、みな眼をさまして大騒ぎとなったのだった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信玄のいる帷幕には、彼の一族と甲山の星将とが半日も
鳩首
(
きゅうしゅ
)
して、その人々が入り代り立代り出はいりしていた。陣外の馬匹までが、ここでは実にやかましいほど、
悍気
(
かんき
)
を立てていなないている。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
細長い
厩舎
(
きゅうしゃ
)
には、
悍気
(
かんき
)
のつよい軍馬がたくさん顔をそろえていた。これもみな戦陣の功労者である。秀吉の顔を見ると、わかるのか、怖るるのか、
嘶
(
いなな
)
いたり、
蹄
(
ひづめ
)
を鳴らしたり、
躁
(
さわ
)
がしいこと
夥
(
おびただ
)
しい。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さかんに水を掻いている
悍気
(
かんき
)
を見てもわかることだった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猛然、赤兎馬は
悍気
(
かんき
)
立つ。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悍
漢検1級
部首:⼼
10画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“悍気”で始まる語句
悍気立