怒涛どとう)” の例文
番町の火は今や五味坂ごみざか上の三井みつい邸のうしろに迫って、怒涛どとうのように暴れ狂うほのおのなかに西洋館の高い建物がはっきりと浮き出して白くみえた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つよかぜは、無残むざんにちょうをうみうえきつけました。そして、たちまち怒涛どとうは、ちょうをのんでしまったのです。
ちょうと怒濤 (新字新仮名) / 小川未明(著)
雷洋丸が爆沈せられたあと、怒涛どとうれくるう、あのような大洋から、よくぞ救い出されたものである。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その混乱の人馬の渦に、自分も巻かれておりながら、そうして押しやられ突きやられ、怒涛どとうの中の小舟のように、めちゃめちゃに揉まれておりながら、彼は何んにも出来なかった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おうせまりくる××(23)怒涛どとう