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忙
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せわし
ふりがな文庫
“
忙
(
せわし
)” の例文
力なき小芳の足は、カラリと庭下駄に音を立てたが、枝折戸のまだ
開
(
あ
)
かぬほど、主税は座をずらして、障子の陰になって、
忙
(
せわし
)
く
巻莨
(
まきたばこ
)
を吸うのであった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
来月の
忙
(
せわし
)
さを見越して、村でも此月ばかりは
陽暦
(
ようれき
)
で行く。大麦も小麦も見渡す限り穂になって、
緑
(
みどり
)
の畑は夜の白々と明ける様に、
総々
(
ふさふさ
)
とした白い
穂波
(
ほなみ
)
を
漂
(
ただよ
)
わす。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
また甘えるように、顔を
正的
(
まとも
)
に差出して、
頤
(
おとがい
)
を支えた指で、しきりに
忙
(
せわし
)
く髯を
捻
(
ひね
)
る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
弱虫ばかり、喧嘩の
対手
(
あいて
)
にするほどのものも居ねえ処だから、そン中へ蹈込んで、骨のある
妖物
(
ばけもの
)
にでも、たんかを切ってやろうと、おいら
何
(
なん
)
するけれども、つい
忙
(
せわし
)
いもんだから思ったばかし。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忙
常用漢字
中学
部首:⼼
6画
“忙”を含む語句
急忙
慌忙
忙々
心忙
気忙
多忙
忙殺
怱忙
繁忙
大忙
息忙
忙敷
連忙
匆忙
御忙
匇忙
忙裏
御多忙
小忙
忙込
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