心組こころぐみ)” の例文
貴諭ノ如ク七年来悲歓得失御同然、一晤いちご握手快談仕リ度ク、小官当地書画会相済ミ直様すぐさま帰府ノ心組こころぐみニ御座候。遠カラザル中拝眉仕ルク候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうしてみると、昨日きのうあの大きな石を用もないのにうごかそうとしたのもその浮標のおもりに使つか心組こころぐみからだったのです。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
市郎の父はこれを憂いて、せがれには充分に医術を修業させ、将来は郷里で医師を開業させる心組こころぐみであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もう一方は又縁談の心組こころぐみで上京している。少時しばらく預かってくれと言って来たのはその為めだ。芳夫さんのお父さんは次期落選保証つきだそうだが、兎に角市会議員という肩書がある。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
かねて父の往診用の人力車はあったのですが、兄の帰朝のためにとまた一台新調して、出入の車夫には新しい法被はっぴを作って与えました。帰朝の日には新橋しんばしまで迎いに出すという心組こころぐみでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
「もっと近くへ越しておで。私は出られぬし、ちょいちょい逢いたいから」といわれますし、主人が終生出入する心組こころぐみの大学へも、それほど遠くもないからと、曙町に地所を見附けて移りました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)