御相伴ごしょうばん)” の例文
秀長様も御相伴ごしょうばんしている。け放ってあるので、彼方で兵が食べているのも見えるし、兵の方からも見通しなのである。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日は旦那も骨休めだとおっしゃるし、三吉も来ているし、何物なんにも無いが河魚で一杯出すで、お前もそこで御相伴ごしょうばんしよや」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
やがて私も御相伴ごしょうばんして一緒にごはんを食べたのであるが、今井田さんの奥さんの、しつこい無智なお世辞には、さすがにむかむかして、よし、もう嘘は、つくまいとっとなって
女生徒 (新字新仮名) / 太宰治(著)
相嘗は相饗そうきょうまたは共饌きょうせんも同じ意で、神と人と同時に一つの食物を摂取せっしゅせられることとしか考えられぬが、是がもし『玉勝間たまかつま』などの説くように、ただ御相伴ごしょうばんという意味であったならば
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「飲めないことがあるものか、始終晩酌の御相伴ごしょうばんはやっているくせに」
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
光永寺と云う真宗寺しんしゅうでらに同藩の家老が滞留中、ある日市中の芸妓げいぎか女郎か五、六人も変な女を集めて酒宴の愉快、私はその時酒を禁じて居るけれども陪席御相伴ごしょうばんおおせ付けられ、一座杯盤狼藉はいばんろうぜきの最中
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
六三郎はおのが郷里の方のうわさをもれききながら、御相伴ごしょうばんのうどんを味わった後、玄関の次の間の炬燵こたつに寝た。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、自他共にゆるし、室町将軍の御相伴ごしょうばん衆という位置、また、財力に豊かな点や、兵力の多数をたのんで
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「金丸先生、今夜はお隅のやつが手打ち蕎麦そばをあげたいなんて、そんなことを申しています。青山さんの御相伴ごしょうばんに、先生もごゆっくりなすってください。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幾たびの催促さいそくにも、将軍家の令を無視し、また、朝廷あることを知らず、皇居の御造営にも、一材の奉仕すらしておらぬ——しかも身は柳営りゅうえい御相伴ごしょうばん衆として、譜代ふだい、職にありまた
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあ、御亭主と御子息も、御相伴ごしょうばんくださるか、それは一だんかたじけない」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「平兵衛さ、お前もここで御相伴ごしょうばんしよや。」
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)