御用おんもち)” の例文
何とぞ小生に代わりてよくよく心を御用おんもちいくださるべく候。御病気の節は別して御気分よろしからざる方なれば、浪さんも定めていろいろと骨折らるべく遙察ようさついたし候。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
寛永元年五月安南船あんなんせん長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪ごていはつ遊ばされそろてより三年目なりしが、御茶事ちゃじ御用おんもちいなされそろ珍らしき品買求め候様おおせ含められ、相役あいやくと両人にて、長崎へ出向き候。
聞しめししからば予は太守光貞卿の子とやとおほせありしがそれよりは將監が申事も御用おんもちゐなくことほか我儘わがまゝ氣隨きずゐに成せ給へりある日書院しよゐんの上段に着座ちやくざまし/\て將監々々/\/\よばせ給ふこゑきこえければ將監大いにおどろき何者なるや萬一もし太守たいしゆの御出にもと不審ふしんながらふすま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
寛永元年五月安南船あんなんせん長崎に到着候時、三斎公は御薙髪ごていはつ遊ばされ候てより三年目なりしが、御茶事おんちゃじ御用おんもちいなされ候珍らしき品買い求め候様おおせ含められ、相役あいやく横田清兵衛と両人にて、長崎へ出向き候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)