後始末あとしまつ)” の例文
友人の訪問や、震災後始末あとしまつに関するかれこれの要務を兼ねて、焼け跡の復興気分を見てまわる。まず番町から丸の内へ行く。
震災後記 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
そうすれば、おれは、もう一このむらかえって、みんなうちはたけって、後始末あとしまつをつけて出直でなおすつもりだ。そして、たびで一しょうおくることにしよう。
おかしいまちがい (新字新仮名) / 小川未明(著)
僕らはこういう静かさの中に——高山植物の花の香に交じったトックの血のにおいの中に後始末あとしまつのことなどを相談しました。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今夜夜通しに後始末あとしまつをしてからのことに決めて、皆がそんなことに奔走している時、源氏は心経しんぎょうを唱えながら、静かに考えてみるとあわただしい一日であった。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
震災後始末あとしまつのためだ。途中二ヵ所の徒歩連絡には閉口だが、この間の篠の井廻りでかなり弱らされたのと、一つは東海道線の被害をも視察したいというのがこの東海道線を選んだ理由だ。
震災後記 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)