後刻あと)” の例文
『ハ。然うでごあんす。何れ後刻あとでお話しようと思つて、受け取つた譯でアごあせん、一寸お預りして置いただけでごあんす。』
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『はあ。』と省吾は笑つて、『わし後刻あとで蓮華寺へ行きやすよ、姉さんが来てもいゝと言ひやしたから。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
仲善なかよし二人肩へ手を掛合って行く前に、弁当箱をポンとほうり上げてはチョイと受けて行く頑童いたずらがある。其隣りは往来の石塊いしころを蹴飛ばし蹴飛ばし行く。誰だか、後刻あとで遊びにくよ、とわめく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さてその後刻あとには月明の晩! 曠野の限りを
『ハ、然うでごあんす。いづ後刻あとでお話しようと思つて、受取つた訳でアごあんせん、一寸お預りして置いただけでごあんす。』
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
後刻あとで斯の金を敬之進に渡して呉れ。それから家の事情で退校させるといふ敬之進の話もあつたが、月謝や何かは斯中このなかから出して、是非今迄通りに学校へ通はせて貰ふやうに。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それもよい、しかし後刻あとでは名もない病気!
『何れ後刻あとゆつくりお話しようと思つてあんしたつたども、今迄その暇がなくて一寸此処にお預りして置いた訳でごあんす。何しろ思懸けないことでごあんしてなす。ハ。』
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何れ後刻あとで緩くりお話しようと思つてあんしたつたども、今迄その暇がなくて一寸此處にお預りして置いた譯でごあんす。何しろ思ひ懸けないことでごあんしてなす。ハ。』
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、『ほんはね、後刻あとで誰かに届けさせますよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)