彼国かのくに)” の例文
旧字:彼國
増一阿含経ぞういちあごんぎやう(第卅三。等法品第卅九)に転輪聖王てんりんじやうわうの徳にそなはりたる一尺六寸の夜光摩尼宝やくわうまにはう彼国かのくに十二由旬ゆじゆんてらすとあり、ぶんおほければあげず。
この度、備中の国へ、後詰ごづめのため、近日、彼国かのくにに出馬あるべきに依り、先手の各〻、我に先だって戦場にいたり、羽柴筑前守の指図を相待つき者也。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
増一阿含経ぞういちあごんぎやう(第卅三。等法品第卅九)に転輪聖王てんりんじやうわうの徳にそなはりたる一尺六寸の夜光摩尼宝やくわうまにはう彼国かのくに十二由旬ゆじゆんてらすとあり、ぶんおほければあげず。
叫絶きょうぜつかん、これは唐風からふう彼国かのくにの表情表現法で、わが国の春語のごとく、くとはいわない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仁徳にんとく帝の御代のころ、高麗人こうらいびと数千をひきいてこの地に土着された彼国かのくにの王族のお末裔すえであり、八幡殿の奥州のえきに武功をあげて、かくれなき名誉のお家柄となったもの……。いや、嘆くことはない。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)