当家うち)” の例文
旧字:當家
いや鳶頭大きに御苦労であった、まア此方こっちへ来なさい、何うもお内儀さんの思召おぼしめしを考えて見るとお気の毒で何うもならぬ、ならぬが当家うちのお嬢さん
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そのな、焼蛤は、今も町はずれの葦簀張よしずばりなんぞでいたします。やっぱり松毬まつかさで焼きませぬと美味おいしうござりませんで、当家うちでは蒸したのを差上げます、味淋みりん入れて味美あじよう蒸します。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
手を突いて私へ頼むから、私もびっくりしたんだよ、本当に感心な事だって、当家うちにもうやって沢山かゝえもあるが
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奥の六畳へ通して長々と昔噺が始まったんだ、鳶頭お前がまだ年のかねえ時分から当家うち出入でいりをするねと仰しゃるから、左様でござえます、なげえ間色々お世話になりますんで
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
当家うちのお内儀様いえはんはこないに諦めのえお方やから、涙一滴こぼさぬが、鳶頭が仲へ這入って口を利き、もう甲州屋のうちへは足踏をさせぬと云い切って引取ったのやないか、それじゃのに
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)