引較ひきくら)” の例文
私は電池の切れかけている私の電燈に引較ひきくらべて、その蓄電装置らしい冴え返った光芒を羨ましく思った。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は今また我に還つた。眼前の光景と引較ひきくらべて我身が一層みじめに、絶望的に思はれて來た。
人間という奴は兎角とかく我身に引較ひきくらべて人の心を推しはかるもので、その結果一度誤った判断を下すと仲々間違いに気がつかぬものですよ。又幽霊を現す手順もうまく行っていました。
幽霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
手近てぢかところ引較ひきくらべる……一寸ちよつと伊豆いづ大仁おほひとつたがしたのである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われらこゝろ思較おもひくらべた……引較ひきくらべればこそ、たなごころを……
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)