からか)” の例文
「ちょいと、こぼしたの。やっぱり悪戯いたずらな小僧さん? 犬にばっかりからかっているんでしょう、私ンとこのも同一おんなじよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いやはや困った御笑談ごじょうだんを申さるる御方じゃ。御立派やかな若殿が老人をからかうものではござらぬわい。一揆の証拠どこにおじゃる。石垣の修築と境内の秋芝刈りを願おうと存じたのでな。
「ほんまに好い芸妓げいこさんになりゃはりましたでっしゃろ。このひとにも、好きな人がひとりあるのっせ」と、軽くからかうようにいうと、若奴は優しい顔に笑窪えくぼを見せてはずかしそうにしながら
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「あれ、あんなことを。たんとおからかいなさいましよ。」