度毎たんび)” の例文
それから以来習慣が付き、子を産む度毎たんびに必ず助産のお役を勤め、「犬猫の産科病院が出来ればさしずめ院長になれる経歴が出来た、」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
私も、伺う度毎たんびに余り長くは御邪魔すまいと思いながら、来てしまうとつい泊っていったりなんかして、お見舞に上るのだか遊びに来るのだか、自分でも分らない位です。
愚かな一日 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
耶蘇降誕祭クリスマス度毎たんびわたしあたらしい長靴ながぐつを一そくづつつてやらう
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
犬ぶりに由て愛憎を二つにしない二葉亭は不便ふびんがって面倒を見てやったから、犬の方でも懐いて、二葉亭が出る度毎たんびに跟を追って困るので
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
二葉亭も来る度毎たんびに必ずこの常例の釜揚を賞翫したが、一つでは足りないで二つまでペロリと平らげる事が度々たびたびであった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
抱一は好き嫌いのはげしい感情家であったが、紅葉が大嫌いで、談紅葉に及ぶごとに口を極めて痛罵つうばするので、その度毎たんび
その度毎たんびに苦い顔をされたが、何遍苦い顔をされても少しも尻込しりごみしないで口をくして諄々じゅんじゅんと説得するに努めたのは社中の弓削田秋江ゆげたしゅうこうであった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
紅葉はこれに反して段々と新らしい領分を開拓して、会う度毎たんびに必ず新らしい本を読んでいて新らしい話をした。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
我々は電車に乗る度毎たんびに礼譲の治外法権を目撃して人間の美性が電車に傷られつゝあるを感じる。
駆逐されんとする文人 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
折に触れて渠らと邂逅して渠らの辣手らつしゅを振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎たんびに自分の経済的手腕の実は余り頼りにならないのを内心あぶなッかしく思いながらも脾肉ひにくに堪えられなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
自働車の音の響く度毎たんびに耳を傾けたが、イツまで待っても帰って来なかった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
新聞の経営方針などを来る度毎たんびくわしく話して聞かせた。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)