底深そこぶか)” の例文
さかなや、また底深そこぶかうみなかんでいる、あらい、いろいろな獣物けものなどとくらべたら、どれほど人間にんげんのほうに、こころ姿すがたているかしれない。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この風やこの雨には一種特別の底深そこぶかい力が含まれてて、寺の樹木じゆもくや、河岸かはぎしあしの葉や、場末ばすゑにつゞく貧しい家の板屋根いたやねに、春や夏には決して聞かれない音響おんきやうを伝へる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)