平治へいじ)” の例文
うちこんで、平治へいじの乱をおこさせ、死して後もなお朝廷にたたりをするのだ。よく見ているがいい。やがて天下に大乱をおこさせようぞ
すなわち平安朝の写本が源平時代あるいは保元ほうげん平治へいじのころに右に言ったような「綴じ目の切れた」という状態で次の時代へ伝えられる。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
保元ほうげん平治へいじの乱である。しかも古来の歴史家は、この両度の大乱の暗いかげに魔女の呪詛のろいの付きまつわっていることを見逃しているらしい。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そういう暴挙は、保元ほうげん平治へいじの世にも行われたことがある。宮は必死になった。かつては吉野の奥、十津川の原始林をとりでとして豼貅ひきゅう叱咜しったした生命の持ちぬしでもある。
信頼のぶよりの怨霊が成親殿なりちかどのにのりうつったのだ。あの平治へいじの乱に清盛きよもり惨殺ざんさつされた信頼の怨霊が。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
保元ほげん平治へいじの乱と、権力者の内紛に、おちょっかいを出しながら、自分の地歩は、着々と固めていって、さて皆が、気がついた時分には、従一位じゅういちい太政大臣だじょうだいじん平清盛という男が、でき上っていた。
俊寛 保元ほうげんの乱に頼長よりながの墓をあばいた信西しんぜいは、頼長の霊にのろわれて平治へいじの乱には信頼に墓をあばかれた。信西の霊は清盛について、信頼を殺させた。今信頼の霊は成親殿にのりうつった。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)