川蒸汽かはじようき)” の例文
僕等はそこから引き返して川蒸汽かはじようきの客になる為に横網よこあみの浮き桟橋さんばしへおりて行つた。昔はこの川蒸汽も一銭蒸汽と呼んだものである。今はもう賃銭も一銭ではない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あしうへをちら/\と陽炎かげろふに、そでかもめになりさうで、はるかいろ名所めいしよしのばれる。手輕てがる川蒸汽かはじようきでもさうである。や、そのあしなかならんで、十四五艘じふしごさう網船あみぶね田船たぶねいてた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)