がく)” の例文
旧字:
ざんがくのお社廟やしろを彼方に、泰山街道はもうえんえんとありのような参拝者の流れだった。多くは相撲の噂でもちきりである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時に元文五年で、師が三十二歳、弟子ていしが十三歳であつた。弥六は後京都にあつて南宮なんぐう氏と称し、名はがく、字は喬卿けうけい、号は大湫たいしうとなつた。延享中に淡淵は年四十になんなんとして芋生から名古屋に遷つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
やがてばんかずも進むうちに、勾欄の一角に錦繍きんしゅうのぼりが立った。わアっと同時に四ざんがくもくずれんばかりな歓声が揚がる——。いよいよ天下無敵と称する擎天柱けいてんちゅう任原じんげんの出場なのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)