山𤢖やまわろ)” の例文
もし山𤢖やまわろか。」と、市郎は咄嗟とっさに思い付いた。で、その正体を見定める為に、たもとから燐寸まっち把出とりだして、慌てて二三本った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
那智ごとき不便の地に久しく独居すると見聞が至って狭く山𤢖やまわろごときものとなるがそれと同時に考察の力が鋭くなりしたがって従来他から聴いたり書で読んだりせなんだ問題を
の白きをんで散歩する市郎のところへ、の七兵衛老爺おやじが駈けて来て、大きな眼と口とをしきりに働かせながら、山𤢖やまわろの一件を注進したのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山𤢖やまわろなるものは、何が故に執念深く自分等に祟るのか、市郎は殆ど判断にくるしんだ。が、彼は不図ふとこんな事を思いうかべた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)