山鴫やましぎ)” の例文
が、いくら探して見ても、山鴫やましぎ屍骸しがいは見つからなかつた。ドオラも遮二無二しやにむに駈け廻つては、時々草の中へたたずんだ儘、不足さうに唸るばかりだつた。
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先ず小鳥類のうち田鴫たしぎ雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ椋鳥むくどりつむぎ、雀なぞは殺してから中を一日置いて三日目を食べ頃としますし、うずら山鴫やましぎ、カケスなぞは四日目を食べ頃とします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
樫鳥かしどり山鳩やまばと山鴫やましぎのような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない、これは鳥の目の調節の速さと
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
二年ぶりにヤスナヤ・ポリヤナを訪れた Ivan Turgenyef はあるじの Tolstoi 伯爵と一しよに、ヴアロンカ川の向うの雑木林へ、山鴫やましぎを打ちに出かけて行つた。
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先ず大別すれば三通りの焼き方がありまして、雀、田鴫たしぎつぐみ椋鳥むくどり雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ、カケス、山鴫やましぎ、山鳩、鴨、小鴨、がん、牛、羊なぞはあまり焼き過ぎない方が良いとしてあります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
これは書物で読んだことだが、樫鳥かしどり山鳩やまばと山鴫やましぎのような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
さうしてトルストイの射止めたのは、山鴫やましぎだと云ふ報告をした。
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)