しば/″\)” の例文
樹の枝がしば/″\車の幌に觸れる。車は既に山腹を削つた岨道を攀ぢて行くのである。空氣の澄渡つてひやゝかなことが際立つて感じられて來る。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
而るに公家褒賞の由く、しば/″\譴責けんせきの符を下さるゝは、身を省みるに恥多し、面目何ぞ施さん。推して之を察したまはば、甚だ以てさいはひなり。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
柏軒は後しば/″\人に語つて、「己はわかい時無頼漢であつた」と云つた。志気豪邁にして往々細節を顧みなかつたのださうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
たとへばわれ/\が大地震だいぢしん場合ばあひおいしば/″\經驗けいけんするとほ主要動しゆようどうおほいさを十糎じゆうせんちめーとる假定かていすれば、初期微動しよきびどう一糎程度いちせんちめーとるていどのものであるので、もしかういふおほいさの地動ちどう
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その伊沢分家、同又分家、渋江氏等と交つて、往々諸家の内事をあづかり聞いたことは、わたくしの既にしば/″\記した所である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
高滝氏はしば/″\朴斎集中に見えてゐて、名は常明つねあきであつたらしい。総介はわたくしは未だ考へない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)