)” の例文
町は勿論とうの昔に人通りを絶っていましたが、星ばかりきらめいた空中には、やみもない風の音がどよめいています。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わが足下あしもとに転がりたる西瓜すいかの皮をいくたびか見返りつつ行過ぎしのち、とあるぐらき路次ろじの奥より、紙屑籠背負いたる十二、三の小僧が鷹のようなる眼を光らせてでぬ
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぐらきかげにわれを招ぐもあだなれや。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)