いで)” の例文
旧字:
聴水忽ちまなこを細くし、「さてもうまくさや、うまくさや。何処いずくの誰がわがために、かかる馳走ちそうこしらへたる。いできて管待もてなしうけん」ト、みちなきくさむらを踏み分けつつ、香を知辺しるべ辿たどり往くに
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
這奴しゃついまだ黄金丸が牙にかからず、なほこの辺を徘徊はいかいして、かかる悪事を働けるや。いで一突きに突止めんと、気はあせれども怎麼にせん、われは車にけられたれば、心のままに働けず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
阿那あな、有難や感謝かたじけなや。此処にて逢ひしは天の恵みなり。いで一噬ひとかみに……
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)