実事じつじ)” の例文
旧字:實事
なほ、此儀は、弥左衛門殿ぢきに見受けられ候趣にて、村方嘉右衛門殿、藤吾殿、治兵衛殿等も、其場に居合されし由に候へば、千万せんばん実事じつじたるに紛れ無かる可く候。
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
○さて此標準へうじゆんたる実事じつじをきゝしに、北海はいづれの所も冬にいたれば常に北風はげしくいそへ物をうちよする、椎谷しひやはたきものにとぼしき所ゆゑ貧民ひんみん拾ひ取りてたきゞとなす事常なり。
さて捕方とりかたの事を言ひ付けると、三人共思ひも掛けぬ様子で、やゝ久しく顔を見合せて考へた上で云つた。平山がうつたへはいかにも実事じつじとは信ぜられない。例の肝積持かんしやくもちの放言をに受けたのではあるまいか。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
○さて此標準へうじゆんたる実事じつじをきゝしに、北海はいづれの所も冬にいたれば常に北風はげしくいそへ物をうちよする、椎谷しひやはたきものにとぼしき所ゆゑ貧民ひんみん拾ひ取りてたきゞとなす事常なり。
(以上北越奇談の説)さてこゝ夜光珠やくわうのたま実事じつじあり。われ文政二年卯の春しも越後を歴遊れきいうせしをり、三嶋郡に入り伊弥彦やひこ明神ををがみ旧知識きうちきなれば高橋光則翁みつのりをうたづねしに、翁大によろこびて一宿いつしゆくゆるしぬ。
(以上北越奇談の説)さてこゝ夜光珠やくわうのたま実事じつじあり。われ文政二年卯の春しも越後を歴遊れきいうせしをり、三嶋郡に入り伊弥彦やひこ明神ををがみ旧知識きうちきなれば高橋光則翁みつのりをうたづねしに、翁大によろこびて一宿いつしゆくゆるしぬ。