孫女まごむすめ)” の例文
しや其選屑の中には、大正五年に八十二歳の齢を重ねて健存せる蘭軒の孫女まごむすめおそのさんの談片の如き、金粉玉屑きんふんぎよくせつがあるにしても。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此人の乱行らんぎやうの一ツをいはば、叔父をぢたる大納言国経卿くにつねきやう年老としおい叔母をばたる北の方は年若く業平なりひら孫女まごむすめにて絶世ぜつせい美人びじんなり。時平是に恋々れん/\す、夫人ふじんもまたをつとおいたるをきらふの心あり。
四代目市川鷺十郎さぎじゅうろう孫女まごむすめに当るので俗に「鷺さくさん」と呼ばれた、大阪に「山村」を名告なのる舞の家筋が二三軒ある中で最も純粋な昔の型を伝えていると云われていた人の稽古場へ
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
棭斎の孫女まごむすめは後に蘭軒の子柏軒に嫁し、柏軒のむすめが又棭斎の養孫やうそん矩之くしに嫁して、伊沢狩谷の二氏は姻戚の関係を重ねた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此人の乱行らんぎやうの一ツをいはば、叔父をぢたる大納言国経卿くにつねきやう年老としおい叔母をばたる北の方は年若く業平なりひら孫女まごむすめにて絶世ぜつせい美人びじんなり。時平是に恋々れん/\す、夫人ふじんもまたをつとおいたるをきらふの心あり。
池田錦橋は後に一たび蘭軒の孫女まごむすめの婿となる全安の祖父である。錦橋の子が京水、京水の子が全安である。此故にわたくしは今少しく錦橋の事蹟を補叙して置きたい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)