女伴おんなづれ)” の例文
何か云うはずの小林は、この時返事をする代りにまた女伴おんなづれの方を一順いちじゅん見廻した後で、云った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女伴おんなづれは何かささやきながらおかの方へあがって往った。芳郎はすぐ往ってしまわれるのが何となくおしいように思われたので、往くともなしにあとからいて往ったが、沈着な平生へいぜいの態度は失わなかった。
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小林は言葉をぐ前に、洋盃を下へ置いて、まず室内を見渡した。女伴おんなづれの客のうち、一組の相手は洗指盆フィンガーボールの中へ入れた果物を食った後の手を、たもとから出した美くしい手帛ハンケチで拭いていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小女こむすめはちょっと足を止めるようにしたが、すぐ歩き出した。山西はその右の手にじぶんの手をかけようとした。と、二三人の歌妓げいしゃらしい女伴おんなづれがむこうの方から来たので、出そうとした手をひっ込めた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼はすなの上に引きあげられた漁船の間をくぐって、魚見岬うおみがさきの方角のほうへ歩いて往ったが、何時いつの間にかいて来たので引っかえしていると、二人の女伴おんなづれが岩の上に腰をかけて話しているのが見えた。
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)