トップ
>
大藪
>
おおやぶ
ふりがな文庫
“
大藪
(
おおやぶ
)” の例文
三棟
(
みむね
)
ある建物のうしろには竹の
大藪
(
おおやぶ
)
がめぐらしてあって、東南の方角にあたる
石垣
(
いしがき
)
の上には
母屋
(
もや
)
の屋根が見上げるほど高い位置にある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
大藪
(
おおやぶ
)
のところに倒れているのをみつけた者があっていま担ぎこまれて来たのだが、かなり重傷のようだ、ひとまず由紀をつれ戻さなければなるまい」
日本婦道記:藪の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
畷
(
なわて
)
の
大藪
(
おおやぶ
)
に風が立ちそめて来た。風につれて、
小禽
(
ことり
)
が立つ。しかしまだその鳥影も見えぬほど朝は暗いのである。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の
大藪
(
おおやぶ
)
の陰を通る時、一匹の狐物陰より現はれて、わが車の上に飛び乗り、
肴
(
さかな
)
を
取
(
とっ
)
て投げおろすに。
這
(
しゃ
)
ツ憎き野良狐めト、よくよく見れば年頃日頃、憎しと思ふ聴水なれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
朝三
(
チョウサン
)
ノ食
秋風
(
シュウフウ
)
ニ
饜
(
ア
)
クとは申せども、この椎の実とやがて栗は、その椎の木も、栗の木も、背戸の奥深く
真暗
(
まっくら
)
な
大藪
(
おおやぶ
)
の多数の
蛇
(
くちなわ
)
と、南瓜畑の
夥多
(
おびただ
)
しい
蝦蟇
(
がま
)
と、相戦う
衝
(
しょう
)
に当る、地境の悪所にあって
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
八百年来の
大藪
(
おおやぶ
)
だ。根こそぎ焼き払わねば、新しい若草の芽は
萌
(
も
)
え出でぬ。……この山一つとそち達はいうが、信長は、叡山ひとつの処置に逆上しておるのではない。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さればこそ
山蛭
(
やまびる
)
の
大藪
(
おおやぶ
)
へ入ろうという少し前からその音を。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「では、べつな方へ」と転進すれば、そこでもまた行く手にあたって、カラ
濠
(
ぼり
)
があり針金の
柵
(
さく
)
があり、小道を探ッてみてもソギ竹だらけで歩けもしない
大藪
(
おおやぶ
)
の闇だとある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
藪
漢検準1級
部首:⾋
18画
“大藪”で始まる語句
大藪地
大藪道
大藪地帯