大損おおぞん)” の例文
としまわりがわるいので、これからさき大損おおぞんをなさることがある。おかねばかりでなく、うえにも、よくよくをつけなければなりませんぞ。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もしうちの庭にここと同じだけったら、父さんはお気のどくなほど大損おおぞんになってしまいます。
禁酒から煙草又私は酒のめに生涯の大損おおぞんをして、その損害は今日までも身について居ると云うその次第は、緒方おがたの塾に学問修業しながら兎角とかく酒をのんいことは少しもない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「しかし又やらなければなりません。日本は今度おとなしかったから、大損おおぞんをしたんです」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「もしそうだとすると、君は自国の機密建物を調べていることになって、大損おおぞんをするよ」
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
現にわたしの知っている者でも、あの銀行騒ぎのために大損おおぞんをした者が幾人もあります。娘の命と掛け換えの大事の金を、どうしてそんな危ないところへ預けて置かれるものですか。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おじいさんも、おばあさんも、びっくりしましたが、なかにもおじいさんは、このおおきなこいをがしてしまったので大損おおぞんをしなければなりませんでした。
千代紙の春 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けわしい斜面しゃめんで、木の根につかまって、すこしずつのぼっていくのであった。枯れ葉に足をとられて、せっかくのぼった斜面を、ずるずるとすべり落ちて、大損おおぞんすることもあった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)