多数おおぜい)” の例文
旧字:多數
私はいきなりその手を押えようと思って、フと気がついたんです、四辺の食卓には多数おおぜいの人がいるではありませんか、ボーイも背後に敬々うやうやしく立って見ています。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
それは神木しんぼくである御蔭おかげじゃ。わしほかにこの銀杏いちょうには神様かみさま御眷族ごけんぞく多数おおぜいいてられる。しいささかでもこれに暴行ぼうこうくわえようものなら、立所たちどころ神罰しんばつくだるであろう。
あれほど疲れてもいるし、いやがりもするのを、なんだって多数おおぜいして担ぎ上げようとするのだか、それがいよいよわからないから、米友は人を掻きわけて、ずっと傍へ寄りました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
重「へえ、どうしても生きてはられません、種々深い訳がございますので、お止めなすっても中々一通りの訳じゃアございません、みんな私の不調法から多数おおぜいの人の難儀になる事ですから、どうかお殺しなすって」