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夕霧
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ゆうぎり
ふりがな文庫
“
夕霧
(
ゆうぎり
)” の例文
二つの
掌
(
て
)
を口にかざしながら、雲とも
夕霧
(
ゆうぎり
)
ともつかない白いものにボカされている
果
(
は
)
てへ、声かぎり
呼
(
よ
)
び歩いてきた。
返辞
(
へんじ
)
がない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東京の街には
夕霧
(
ゆうぎり
)
が
烟
(
けむり
)
のように白く充満して、その霧の中を黒衣の人々がいそがしそうに往来し、もう既にまったく
師走
(
しわす
)
の
巷
(
ちまた
)
の気分であった。
メリイクリスマス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
若菜において文章も叙述の方法も拙かった作者は
柏木
(
かしわぎ
)
になり、
夕霧
(
ゆうぎり
)
になり、立派なものになってきた。内容に天才的な豊かなものが盛られているからである。
『新新訳源氏物語』あとがき
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼は、
素直
(
すなお
)
に伝右衛門の意をむかえて、当時内蔵助が
仇家
(
きゅうか
)
の
細作
(
さいさく
)
を欺くために、
法衣
(
ころも
)
をまとって
升屋
(
ますや
)
の
夕霧
(
ゆうぎり
)
のもとへ通いつめた話を、事明細に話して聞かせた。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
藤十郎は、得意の
夕霧
(
ゆうぎり
)
伊左衛門を出して、これに対抗した。二人の名優が、舞台の上の競争は、都の人々の心を
湧
(
わ
)
き立たせるに十分であった。が新しき物を追うのは、人心の常である。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
“夕”で始まる語句
夕
夕餉
夕飯
夕陽
夕方
夕靄
夕闇
夕日
夕暮
夕焼