壇上だんじょう)” の例文
ただ、エレベエタアを一緒のはこで、身体からだれ合って降りたときと、挨拶あいさつ壇上だんじょうに登る際、降りて来たあなたとれちがったときとが、限りなく苦しかった。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
新しい洋服ようふくにからだをつつんで、全校の視線しせんをあびながら、はれの壇上だんじょうに立った光吉こうきちは、まどのそとの冬がれのおかから、母の慈愛じあいのまなこが自分を見まもっていてくれることを
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
というのは、壇上だんじょうの聖者レザールが、博士に向って手を振りだしたのである。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして壇上だんじょうの声は、理事長、塾長、来賓と三たび変わり、たっぷり一時間を要したにもかかわらず、老は身じろぎ一つせず、黒眼鏡から反射する光に微動びどうさえも見られなかったぐらいであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そのとき、多宝塔たほうとうとびらをはいして、悠然ゆうぜん壇上だんじょう床几しょうぎをすえ、ふくみわらいをして、こう見下ろしたのは、伊那丸いなまるであった。白綸子しろりんずの着込みに、むらさきおどしの具足ぐそく太刀たちのきらめきもはなばなしい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拝賀式はいがしきのはれの壇上だんじょうにあがるにも、これよりほかに着るものも、はくものもないのだ。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
梁首席りょうしゅせき巨躯きょくが、壇上だんじょうに現れた。