壁掛かべかけ)” の例文
それに、月末つきずゑだつてもうちかいんだし、なにもそんなあつてもなくつてもいい壁掛かべかけなんかをいまひになることないぢやありませんか
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
もっと精確に云うと銃口は、向いの窓の内から見える壁掛かべかけ電話機をねらっているのだった。——その電話機は、受話器がひものままダラリと下っていた。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
印度インド更紗さらさとか、ペルシャの壁掛かべかけとか号するものが、ちょっとが抜けているところに価値があるごとく、この花毯もこせつかないところにおもむきがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まア、そらとぼけるなんて卑怯ひけふだわ。そ、そんな贅澤ぜいたく壁掛かべかけなんかをまぐれにおひになる餘裕よゆうがあるんならつてふのよ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
さすがにかくしきれもせずに、をつとがてれくさ顏附かほつきでその壁掛かべかけつつみをほどくと、あんでうつま非難ひなんけながらさうつた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)