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墨守
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ぼくしゅ
ふりがな文庫
“
墨守
(
ぼくしゅ
)” の例文
もっとも水晶に針金を封じ込む方法はちゃんとあるので、こういう旧式な手法を
墨守
(
ぼくしゅ
)
するのは少し馬鹿気ているという議論も出るかもしれない。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
諸君公徳などと云う野蛮の遺風を
墨守
(
ぼくしゅ
)
してはなりません。世界の青年として諸君が第一に注意すべき義務は自殺である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
地上の人類が、現在の
如
(
ごと
)
き非合理的法律を
墨守
(
ぼくしゅ
)
して居る限り、
先
(
ま
)
ず改善の見込は絶無であろう。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
革命の国でありながら世にもっとも旧慣
墨守
(
ぼくしゅ
)
の国たるこの国の、ごく古くからの習慣に従って、試験は七月に、一年じゅうのもっとも酷暑のころに、行なわれたのだった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
これ北斎をして
自
(
おのずか
)
ら一派一流の法式を
墨守
(
ぼくしゅ
)
するの
遑
(
いとま
)
なからしめたる
所以
(
ゆえん
)
ならずや。この点において北斎は
寔
(
まこと
)
に泰西人の激賞するが如く
不覊自由
(
ふきじゆう
)
なる独立の画家たりしといふべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
活花
(
いけばな
)
にても遠州流など申して、一定の法則を
墨守
(
ぼくしゅ
)
致し候も有之候へども、これ恐らくは
小堀遠州
(
こぼりえんしゅう
)
の本意にはあるまじく、要するに趣味は規則をはづれて千変万化する所に可有之候。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
今なお鼠を殺すと
埃溜
(
ごみた
)
めの中へ、持って行くだけの改良法も採用せず、依然として百年以前の旧様式を
墨守
(
ぼくしゅ
)
し、これを表通りの街路の上にほうり出して、車の輪の
蹂躙
(
じゅうりん
)
に
委
(
ゆだ
)
ねている。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
世にも度し難きは、人間界にこびりついている古い古い
僻見
(
へきけん
)
であり、又ドウにも始末に行かぬのは、宗教宗派の
墨守
(
ぼくしゅ
)
する数々のドグマである。これは『時』の流れに任せる外に途がない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
“墨守”の意味
《名詞》
墨守(ぼくしゅ)
戦争などにおいて城などを堅く守ること。堅守。
思想やしきたりをかたく改めないこと。「かたくな」といった悪い意味のことが多いが、良い意味の場合もある。
(出典:Wiktionary)
墨
常用漢字
中学
部首:⼟
14画
守
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“墨”で始まる語句
墨
墨汁
墨染
墨痕
墨色
墨付
墨西哥
墨絵
墨堤
墨屋敷