境界きょうかい)” の例文
その境界きょうかいになるのが、この回転扉だ。そこでこの回転扉をまわして中へはいると、その奥には、またもや下へ下りるトンネルがある。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
予よりは隠すべきにあらねば当時の境界きょうかいを申し送り、人世を以て学校とすれば書冊の学校へ入らずも御心配あるなと、例の空想にいささか実歴したる着実らしき事を交えて書送りたり。
良夜 (新字新仮名) / 饗庭篁村(著)
一般人士のむ境界をだっしていっそう高き境界きょうかいに達したならば、夢相も夢物もみな同一の虚妄きょもうにして、すべてあるところなしとさとらるるであろうことは、あたかも先に掲げた例のとおり
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
地球面の人類、その数億のみならず、山海さんかい天然てんねん境界きょうかいへだてられて、各処かくしょに群を成し各処に相分あいわかるるは止むを得ずといえども、各処におのおの衣食の富源ふげんあれば、これによりて生活をぐべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ドリス自身には、技芸ぎげいの発展が出来なくて気の毒だのなんのと云ったって、分からないかも知れない。結構ずくめの境界きょうかいである。崇拝者に取り巻かれていて、望みなら何一つかなわないことはない。
元々あの若い職工さんが、あやまってぼくを放送機にとりつけたのであった。だからぼくは当然今のようなみじめな境界きょうかい顛落てんらくすることは、始めから分り切っていたのである。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)