団栗目どんぐりめ)” の例文
わしや、獅子鼻しゝばな団栗目どんぐりめ御神酒徳利おみきどつくりくちなら真似まねるが、弁天様べんてんさまえねえ……まあ、そんなことかつしやい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白薩摩の汚れた単衣ひとえ、紺染の兵子帯へこおび、いが栗天窓ぐりあたま団栗目どんぐりめ、ころころと肥えて丈の低きが、藁草履わらぞうり穿うがちたる、あにそれ多磨太にあらざらんや。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小児等は同じように顔を合せて、猿眼さるまなこに、猫の目、上り目、下り目、団栗目どんぐりめ、いろいろなのがぱちくるのみ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「は、は、は、違う、違う、まるで違う。この大入道の団栗目どんぐりめは、はじめ死んでおった。それがたがねきたのじゃ。すなわち潰されたために、いたのじゃ。」
円くて渋面しぶつら親仁様おとっさんが、団栗目どんぐりめをぎろぎろと遣って、(狐か——俺は天狗だぞ、可恐こわいぞ。)と云うから、(可恐いもんですか。)ってそう云うと、(成程、化もの夥間なかまだ、わはは。)おおきな声なの。