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こゝに於てか伯の全心は、基督教を最初の純朴なる位地にへす事に注ぎたり。其小説のうちに一箇の偶人をやとうて、言はしめて曰く
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
いろいろ思いえして見れば、女工や鉱婦や淫売婦達が虐げられている事実など空ふく風に、華やかな電燈の下で音楽と酒と白粉おしろいの香に陶酔して、制度の桎梏も
女給 (新字新仮名) / 細井和喜蔵(著)
今をること三十年、一度び他村との交通を開きてより、たちまち衰廃して前日の強盛は夢の如く、泡の如く、再びへすべからざるものとなりぬ。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
然れども基督キリストの本旨は善人を救ふにあらず、不善を善にへすにあれば、われは始めに染汚せんをの慾情を以て入り来りしものも、のちには極めて浄潔なる聖念に満たさるゝ様にならん事を願ふなり。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
往々にして是等の風流客を追ひへすことあるは。
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)