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吶々
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とつとつ
ふりがな文庫
“
吶々
(
とつとつ
)” の例文
大塔ノ宮の旗上げ、その吉野城と、金剛山との結びつき、四国九州にわたる宮方の危険な
兆
(
きざ
)
し、それらを、茂時は事務口調で、
吶々
(
とつとつ
)
と申し
陳
(
の
)
べた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吶々
(
とつとつ
)
として、しかも沈着に、純真に、
縷々
(
るる
)
この意味の数千言を語ったのが、
轟々
(
ごうごう
)
たる汽車の
中
(
うち
)
に、あたかも雷鳴を
凌
(
しの
)
ぐ、深刻なる独白のごとく私たちの耳に響いた。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
津上氏は帝展に数回特選され、数多の名士の銅像を作った人であるが、席上梅津只圓翁の人格を聞き、次いでその写真数葉を見るに及んで非常に感激し、
吶々
(
とつとつ
)
たる口調で
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「貴公が先に帰って間もなくのことだ」甚十郎は
吶々
(
とつとつ
)
と話した
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
正成は
吶々
(
とつとつ
)
と言いながら、たずさえて来た大ぶりな竹籠の献上物を、宮の坐っている広縁まで
捧
(
ささ
)
げてから、また階を下りて、庭面に低くぬかずいた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
なんの鋭さもない抗弁だが、高徳の
吶々
(
とつとつ
)
という言には、五郎と違う
粘
(
ねば
)
りがあった。ただの
朴
(
ぼく
)
とつ
漢
(
かん
)
とばかり彼を見ていた五郎は急に高徳を見直していた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吶々
(
とつとつ
)
ということばには真実があって、むしろ、妹思いな兄と、兄思いな妹とが、
髣髴
(
ほうふつ
)
として、眼を閉じて聞いている人々の
瞼
(
まぶた
)
に迫ってくるほどなのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吶々
(
とつとつ
)
と述べる者もなくはないが、いっこうに明確でなく「——まずはすぐの御船出は、途中御難儀かとぞんじられまする」といったような
類
(
たぐい
)
の意見ばかりだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口重
(
くちおも
)
げで、もの言いぶりも
吶々
(
とつとつ
)
と、風貌からして、
朴
(
ぼく
)
とつな武人である。年齢は四十がらみ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吶々
(
とつとつ
)
とした物の言い振りだ。いかにも、実直者らしい。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吶
漢検1級
部首:⼝
7画
々
3画
“吶”で始まる語句
吶喊
吶
吶弁
吶声
吶嗟