いいや)” の例文
いいや、小石姫が殺されまして以来毎晩この石が泣くようになったと申します。姫の怨念おんねんが石にこもったのでございます。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『ハツハハ。さ、わしが踊ろか。いいや、酔つた、すつかり酔つた。ハハ。神がこの世へ現はれて、か。ハツハハ。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いいや。」
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「小供の衣服きものよりは、おあしで上げた方が好かつたか知ら!」と考へた。そして直ぐに、「いいや、まだ有るもの!」と、今しも机の上に置いた財布かみいれに目を遣つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いいや外宮げっくさんも内宮ないくさんも昨日済んで、今日はこの辺と二見さ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
いいや、俥ん通る道は彼方にあるだが、これが近路だで」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)