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向河岸
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むこうがし
ふりがな文庫
“
向河岸
(
むこうがし
)” の例文
私の今住んでいる
向島
(
むこうじま
)
一帯の土地は、昔は石が少かったそうである。それと反対に
向河岸
(
むこうがし
)
の橋場から
今戸
(
いまど
)
辺には、石浜という名が残っている位に石が多かった。
梵雲庵漫録
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
春「まア
宜
(
よ
)
い、仕方がないが、
斯
(
こ
)
う
家鴨
(
しゃも
)
ばかりでは喰えねえ、
向河岸
(
むこうがし
)
へ往って何か
肴
(
さかな
)
を取って来たまえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
水ぎわには昼でも淡く水蒸気が見えるが、そのくせ
向河岸
(
むこうがし
)
の屋根でも壁でも濃くはっきりと目に映る。どうしてももう秋も末だ、冬空に近い。私は
袷
(
あわせ
)
の襟を堅く合せた。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
向河岸
(
むこうがし
)
へつくと急に思出して近所の菓子屋を探して
土産
(
みやげ
)
を買い
今戸橋
(
いまどばし
)
を渡って
真直
(
まっすぐ
)
な道をば自分ばかりは
足許
(
あしもと
)
のたしかなつもりで、実は大分ふらふらしながら歩いて行った。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
其の内船は
漸々
(
よう/\
)
向河岸
(
むこうがし
)
へ着きましたが、勇助はまた泳ぎ付き、舷へ手を掛け、船の中へ飛上ろうとする処を、喜代松に水棹を以て横に払われ、バタリと倒れたが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
どの船からという事もなく幽暗なる
半月
(
はんげつ
)
の光に漂い聞ゆる男女が
私語
(
ささやき
)
の声は、折々
向河岸
(
むこうがし
)
なる
椎
(
しい
)
の木屋敷の
塀外
(
へいそと
)
から
幽
(
かす
)
かに
夜駕籠
(
よかご
)
の掛声を吹送って来る川風に得もいわれぬ
匂袋
(
においぶくろ
)
の
香
(
か
)
を伴わせ
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
向河岸
(
むこうがし
)
の空高く突立っている蔵前の
烟突
(
えんとつ
)
を掠めて、星が三ツも四ツもつづけざまに流れては消えるのをぼんやり見上げながら、さしずめ今夜はこれからどこへ行こう。新橋はもう縁が切れている。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いつもならば
向河岸
(
むこうがし
)
の屋根を越して
森田座
(
もりたざ
)
の
幟
(
のぼり
)
が見えるのであるが
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
“向河”で始まる語句
向河原