名高なだけ)” の例文
「あれだな、評判の。ついまだ掛違いまして手前お目通めどおりつかまつらねえが、源坊が下駄と来ちゃあ当時名高なだけえもんだ。むむ、名高えもんだよ。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当時とうじ江戸えど名高なだけ笠森かさもりおせんの、えりあたるなァおいらよりほかにゃ、ひろ江戸中えどじゅう二人ふたりたねえんだ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
一旦助けたからにゃア何うかして其の刀の所在ありかを詮議をして、刀を此の人へ戻して遣り、万年町のたなへ帰して遣りたいので、段々其の刀の事を聞いて見れば、大層名高なだけえものだから
これがフリント船長せんちょだ、——己はこの鸚鵡をあの名高なだけえ海賊の名を取ってフリント船長って言ってるんだよ、——このフリント船長がな、今度の航海こうけえはうまくゆくって予言しているぜ。